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十山が考える活かし方


自然を活かす
”Sharing the Alps”

私たちは、地域に根差した企業として地域との協働を進めること、製紙業とは違った目線で経営を行うことで井川社有林の価値を高めるために特種東海製紙から分社化されました。井川社有林の価値を高めるためには、自然を守ることが前提ながらも自然の恵みを活用することで社会的な評価を高め経済的に成り立つようにしなければなりません。「Sharing the Alps」、私たちの財産である南アルプスの自然を皆さんと分かち合う。これが私たちの活動方針です。

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過去の「活かし方」

Utilize Nature in Past

井川社有林では、1895年に大倉喜八郎が取得して以来林業が行われてきました。500万立方メートルにも及ぶ木材の蓄積があるとされ、この木材資源を活かすためです。伐採は大井川本流域から始まり、現場はその後西俣流域、そして1960年台には東俣流域へと移りました。
伐採作業は時代の要請で効率が優先された時期もありましたが、基本的には帝国大学農科大学の調査報告書「井川山林業管見」にある「天然力を利用し濫りに皆伐せず択伐作業(優良木の抜き切り)によるときは、林地を保ち多望となる樹種の森林造成ができる」を基本方針としてきました。こうした思想をもとに、1970年台には東俣流域で択伐施業に適した単木集材システムであるY型架線集材装置を林業機械メーカー、大学と共同開発するなど、林業界をリードしました。
しかし、井川社有林の木材は、伐採現場が奥地になり搬出費用の負担が重くなってきたことと、1973(昭和48)年の円の変動相場制の導入以降の円高の進行、人件費の上昇などの社会環境の変化にさらされ、外材に対する価格競争力を失いました。そして、1982年の台風で林道や索道などが甚大な被害を受けたこともあり、木材生産は中断されることとなりました。
その後、中部電力さんへの工事用地協力など、井川社有林を不動産物件として活用した時期もありましたが、正直なところ木材生産中断以降十分に活かせているとは言えない状況が続いていました。

これからの「活かし方」

Promote Nature in Future

この様に、井川社有林の多くの場所で伐採を行ってきました。しかし、井川山林業管見にならい幼木の生育など樹木の更新に配慮した伐採方法が奏功したことと植林および植物の旺盛な成長力によって現在森林は回復途上にあります。そして、何よりも3000メートル峰や渓流には岳人や釣り人を引き付けてやまない魅力があります。

こうした井川社有林の自然環境を求め、コロナ禍前は年間延べ2万4千人のお客様が入山していました。グループ会社の特種東海フォレストが井川社有林内で椹島ロッヂと9件の登山小屋を管理運営し、こうしたお客様に対応をしています。私たちはこうした自然を本格的に満喫するお客様はもちろん、今後は新緑や紅葉を楽しむライトな自然散策のお客様まで広く受け入れ、南アルプスの自然を現地でシェアすることで社会に貢献したいと考えています。

そして、世界的に気候変動などの環境問題が深刻化し天然林の減少や劣化が進む現代においては、当社が井川社有林を今以上に自然度の高い状態に導き貴重な生物を保護し共生していくことも、新しい井川社有林の活かし方だと考えています。これは、今私たちが楽しんでいる自然環境を未来の人々ともシェアすることにつながると考えていますし、こうした取り組みがSDGsとしての評価につながると考えています。

そして、
ウイスキーに辿りついた

One of Answers

井川社有林の活用にあたっては、自然環境の価値を損なわないことが前提です。私たちは自主的に定めた自然保護地区の他に、経済活動が許される融和地区を僅かに定めました。そこから、井川社有林の自然を多くの方々とシェアすることを考え、自然をその構成要素に分解してそれぞれをどう活かせるかを考えた結果、行きついたものの一つがウイスキー事業です。

井川社有林に湧き出る天然水、これを仕込み水や割り水として使う。井川社有林のミズナラ材で熟成用の樽を作る、もっといろいろある樹種で樽を作り試すのもいい。そして標高と深い森が醸す冷涼で湿潤な熟成環境。ここで熟成させ南アルプスの自然環境が凝縮されたウイスキーを皆様にお届けし、グラスを傾けるごとに南アルプスの森を感じ、ゆとりや安らぎを感じていただく。こんな南アルプスの自然のシェアの仕方って最高じゃないか、と思っています。

井川社有林には、木材資源以外にもハチミツやキノコ・山菜類、そして木材であっても建築材向きではなく工芸用途に適した広葉樹や蔓などの素材もあります。こうした素材を活かした商品を開発することで、実際にお越しいただくことができないお客様にも井川社有林由来の商品をお届けすることで南アルプスの自然の恵みをシェアしたいと考えています。

南アルプスで協働しよう

私たちは、南アルプスの自然をこれまでの枠に捕らわれない様々な形でシェアしたいと考えています。
井川社有林を自然体験の場としてお客様に提供する、社員研修の場として活用する、自然の恵みを活かした商品開発を行うなど、さまざまな形で協働してくださる企業や団体の皆様を探しています。
自然素材でこんなことができる、井川社有林のフィールドでこんなことができるというアイデア、ノウハウをお持ちの企業や団体の皆様、ぜひお声がけください。

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