24,430ha、
日本最大の管理水源地
Owned the Water Source
“The Sourthern Alps”
南アルプスの奥深い森、そして大井川の最源流24,430haは社有地であり、管理している大井川の水源地でもあります。ここは、今も隆起や浸食を繰り返す、まさに「生きている」山々が連なる場所。 ここはかつて江戸幕府の天領でした。その後、実業家の大倉喜八郎が所有し製紙業をはじめてから、およそ120年。わたしたちは紙づくりを通じて、山を、森を、川を、見守り育んできました。
120年、
守りつづけた木賊湧水
The Mother Water
わたしたちの井川蒸溜所は、社有地内、つまり国内最大の水源地内にあります。 井川の地名は、一説には「井戸」と「川」に由来するともいわれ、はるか遠い昔から、量質ともに水に恵まれた土地でした。
モルトの質にこだわる
“Malt” Made in Scotland
ウイスキーの原料は、発芽させた大麦、モルト。 ウイスキーに最適な原料をもとめデンプン質が豊富なスコットランド産のモルトを使用しています。
厳選したモルトを適切な粒度比率に調整することから、私たちのウイスキーづくりがはじまります。
透き通った、
クリーンな麦汁。
Mashing
挽いたモルトと仕込み水を混ぜ合わせ、糖をたっぷり含んだ麦汁を抽出します。クリーンな麦汁を目指し、仕上がりを濁度計で計測しデータ化。最適な麦汁の抽出条件を探っています。
基本をおさえた製法を守りながら、同時に科学的なアプローチを行うこともわたしたちの強みです。
酵母にとって、
最適な環境。
Fermentation
アルコール発酵をうまくすすめ、豊かな香りを持つもろみを生み出すためには、温度管理が大切です。
南アルプスの夏は最高30℃、冬でマイナス15℃まで変化します。
わたしたちは、安定した品質を追求します。その日の気象条件に合わせて最適な温度管理ができるように、冷水/温水ジャケットを施したステンレス製の発酵槽を採用しています。
原酒の味を決める、
蒸留。
Distillation
発酵が終わったもろみから、水とアルコールの沸点の違いを利用して、アルコールを濃縮します。同時に、香り成分の取捨選択を行いクリーンでボディのある味に仕上げます。
こだわりの酒質を求め、高地で気圧が低いことから、ポットスチルの形状としてラインアームはやや下向きとし、ネックはストレート型を採用しました。
最後に決めるのは、人。
Judgement
蒸留されたもろみがすべて原酒になるわけではなく、一番美味しい部分だけを選んで樽詰めしています。工程は科学的に制御しつつも、最後のこのカットポイントを決めるのは、人の官能。クオリティに一切の妥協をゆるさない、わたしたちのこだわりです。
ウイスキーづくりのそれぞれの工程に担当者がつき、自信とプライドを持って仕事に取り組んでいます。 わたしたちの強みは、ウイスキーへの情熱と、製紙業で培った経験、そしてチームワーク。南アルプスの山奥で、こだわりをかたちにするべく、日々研究を重ねています。
樽から滲む、自然の香り。
“Barrels” Made by Alps
バーボン樽、シェリー樽にくわえ、わたしたちの森で育ったミズナラで樽をつくりました。自然を守るだけでなく、活かすことも必要です。ミズナラ一号樽は倒木を利用して樽に仕上げました。これからも豊富な木材資源を活かした樽作りを進めていきます。
霧の中で眠る。
Maturation in the Alps
ウイスキーづくりには「熟成」という、眠りを見守る大切な時間があります。霧がたちやすく、冷涼で湿潤な南アルプスの森は、熟成には理想的な環境。川のせせらぎを聞きながら眠りにつき、より深く、 より豊かに、その魅力を増していきます。
大自然と時間が、価値をつくる。長期熟成を目指すのは、わたしたちの信念のあらわれです。
井川蒸溜所データ
Specification
開業: 2020年11月
所長: 瀬戸 泰栄
標高: 1200 m
気圧: 880 hPa
気温: 30℃~-15℃
仕込水: 木賊湧水
仕込水硬度: 40 mg/L
取水量: 200 L/min
管理水源地面積: 24,430 ha
年間生産能力: 約70,000 L
麦芽仕込量: 1t/バッチ
モルトミル: 6本ローラーミル(キュンツェル社製)
マッシュタン: ステンレス×1基
ウォッシュバック:ステンレス×4基
初留釜: ストレート型(三宅製作所製)×1基
再留釜: ストレート型(三宅製作所製)×1基
加熱方式: 初留/再留 スチーム
冷却装置: 初留/再留 シェル&チューブ
所在地: 〒428-0505 静岡県静岡市葵区田代字大春木1299-1