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南アルプスの香りを追い求めて

シラビソとは何か

初めてシラビソに出会ったのは2019年の夏。現在の十山に入社した時の事だ。入社後まもなく南アルプスの案内をしてくれた先輩がシラビソの樹脂を紹介してくれたことにはじまる。その独特の香りは強烈に自身の記憶に残るものだった。それ以来、私が案内人として来訪者を亜高山帯にお連れした際は必ず紹介する要素となった。

シラビソとはモミ系の樹種で、本州中部では1500~2500m付近の亜高山帯地域にのみ育つ樹種だ。シラビソの起源は、北海道以北に分布するトドマツと言われており、このトドマツが、氷期の終了とともに本州中部の山岳地に取り残されたものの子孫と考えられている。トドマツなどの近縁種は北海道や海外に存在しているが、シラビソは日本の本州と四国にしか生育していない。その中でも、南アルプスのこのシラビソは特別であるとも言える。一般的にはシラビソの寿命は100年程度と言われている。伐採の記録がない場所のシラビソはゆうに240年生を超える物が存在している。そして社有地にあるシラビソの99%が天然生林だ。

エッセンシャルオイルの抽出試験

亜高山帯の樹種なので、なかなかお目にかかれない一方で、シラビソの香りは古くから登山者の間では有名だった。シラビソの森に入るといつも独特の香りに包まれる。少し甘いような重たくも心地よい香りを、私は「森の香り」と表現する。その香りを集めて皆さんにもお届けできないだろうか。

そこからエッセンシャルオイルの製造にむけて研究を重ねた。エッセンシャルオイルを抽出するために水蒸気蒸留を行う。何度も試験を行った。プロジェクトのため膝上まである新雪の中でも採取したことや、真冬に標高2000mまで登ったこともある。その結果、興味深いことに採取の時期や標高、樹齢、抽出を行う部位などでエッセンシャルオイルの回収率が変わってくることが分かってきた。また、抽出溶媒によっても香りが変わってくる。溶剤を使うと「森の香り」に近い成分が抽出できることがわかったが、私たちは自然と人に与える影響が少なく安全な水蒸気蒸留に拘った。

わずか0.5%

南アルプス産シラビソのエッセンシャルオイルは0.5%ほどしか取れない非常に貴重なオイルだ。オイルは採れたが、どのように皆さんにお届けするか、全く知見のない中での挑戦となった。私たちはオイルを採取するにあたり、自然に与える影響を最小限にとどめ、樹木の成長量の範囲で自然の恵みであるシラビソの枝葉をいただくこととした。

そんな中、大きな出会いがあった。浜松にナチュラスサイコスというブランドを持つ㈱光南(旧㈱ハーバルインデックス社)という会社がある。彼らはインターネット通販が現在ほど活発になる以前から、アロマオイルとその周辺事業に特化した通販会社で知られる。オーガニック原料に拘った製品展開をしており、国内で一番最初にオーストラリアのオーガニック認証機関(ACO)の規格でオーガニック製品を販売した。

そして、南アルプスのシラビソが群生する場所も、天然生林のシラビソとそれらが育つ大地は、農薬や化学肥料とは無縁の場所。彼らはそのような南アルプスという特異性や私たちの想いに共感をしてくださった。私たちは普段、社有地の管理を業務を主に行っていることから、このような繊細なプロダクトは初めての挑戦であり課題も多くあったが、彼らの助けがあったことからシラビソエッセンシャルオイルを皆さんにお届けできる運びとなった。

まだたくさん作れるものではなく、今回はごく少量だけ。これは南アルプスからの贈り物。穢れのない大自然の中で育ったシラビソのエッセンシャルオイルを、手に取っていただき、南アルプスの風を感じてもらえると幸いだ。

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【数量限定】【南アルプス産】シラビソエッセンシャルオイル 2ml 7480円(税込)

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