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vol.2 ウイスキーを学ぶ ~飛騨高山蒸溜所篇~

今年は(有)舩坂酒造店飛騨高山蒸溜所さんと交流をさせていただきました。

前回の長濱蒸溜所さんとの交流から1年経ち、そして私たちも設立からようやく4年が経ったところです。
ウイスキーの製造も日々改良を進めており、安定してきている部分もあります。一方で、その原酒がどう育つのか、バッティングした時にどう変化していくのか、そして製造以外でも魅力の発信や販売方法なども気になってくる時期になってきました。
特に飛騨高山蒸溜所さんの個性は私たち井川蒸溜所に似ている部分があるのではないかとも感じます。標高も約1000mですしインフラ面や積雪地に立地しています。何より地域と共に歩む姿勢は素晴らしいものです。
そのあたりの奥地ならではの課題に関する意見交換や、地域との取り組みなどを勉強させていただきました。

飛騨高山蒸溜所の見学を前に

まず、雪をなめておりました。
有巣社長からご丁寧に雪が降りましたので、長靴をお持ちくださいと連絡をいただいたにも関わらず、「きっと大丈夫」という安易な判断をしてしまったところです。鉄道から眺める風景が徐々に変わっていき絶望をした次第です。
井川の視察に来る方も、念入りな服装のお願いにも関わらず、シティな装いでいらっしゃる方がおられます。(アクセスや危険度の観点で)井川をなめてた、というお言葉をいただくことも多いのですが、日頃お伝えしていた自らが同じ過ちを犯してしまいました。
こういうことなのですね…。

いざ視察

さてさて、本題です。
飛騨高山蒸溜所さんは200年の歴史を持つ(有)舩坂酒造店が2023年に設立した蒸留所で、閉校となった高根小学校を利用し、蒸留所へと変身を遂げています。
体育館を利用した蒸留設備は一か所にまとまっており、作業効率や作業時のコミュニケーション面、そして見映えにも工夫された設計と感じました。特に、見学者からすると設備の臨場感や全体感を享受できる他にはない蒸溜所に感じます。
一方で一般の方には見えにくい部分の苦労も話題も多く上がりました。冬場の水や不在時のメンテナンスなどお互いに苦労がたえませんね。

有巣社長自ら、その蒸留設備棟である体育館にたどり着くまでに、ストーリーテラーとして高根小学校を活用する意味やウイスキー造りに対する想いを届けてくれます。見学の半分くらいはウイスキー造り以外の部分の紹介だった印象です
でも実は今回、一番の感動は有巣さんのこの部分のご案内だったのではないでしょうか。
お話が本当にお上手で導入からサゲまで流暢にこなされるお姿は、プロの噺家かと錯覚し、和装が似合うと勝手に想像をしていたくらいです。まじめな話として、この前段こそが飛騨高山蒸溜所さんのウイスキー造りへの関心を増しているように思います。
同業ながらファンになってしまいました。

 

私たちも、井川蒸溜所ツアーのご案内の半分はネイチャーツアーだったりします。
井川蒸溜所のウイスキー製造の話に入る前に、井川蒸溜所がなぜそこでウイスキーを造るに至ったのか、どんな外部環境でウイスキー造りをしているのか、そしてそこにどんな責任を持って取り組んでいるのか、そんなことを道中でご紹介しています。
私たちの井川蒸溜所ツアーの紹介手法が正しいのか分かっていないのですが、有巣さんのご紹介を聞いて、お伝えしたい本質は一緒なのかもしれない、と教えていただけたように思います。

また、飛騨高山蒸溜所さんの何事も挑戦される姿勢には、私たちも大きな刺激を受けました。
蒸留所開所にあたりクラウドファンディングを活用したり蒸留設備を入れたり、ダム熟成やウイスキー用の樽を地元の企業と一緒に取り組みなど枚挙にいとまがありません。印象に残っていることとしては、学校の教室を利用した熟成庫で、日差しが当たっても良いのですかと問うたところ、これもやってみないとわからないので試しています、という言葉が非常に印象的でした。私たち新しい蒸留所は何事も挑戦ですね。

視察後にみんなで懇親会

見学後に、飛騨高山蒸溜所さんと懇親会をさせてもらいました。
その席の中で、私たちをもてなしてくださりながら高山文化をご紹介してくださるお姿は、200年も続く酒蔵を支えている証左ですし、さすがの一言です。
そんな高山文化や歴史的な街並みに魅せられ、明朝に(有)舩坂酒造店さんまで、滑りながらも散歩しました。
到着すると朝からオープンしていて、商品の在庫整理される方がお一人。
昨日酒席をご一緒してくださった蒸溜所の方でした。ウイスキー造りや日本酒造りに加えて、現場で販売にも携われている。しかも昨夜はハードリカー漬け。

とても眩しく見える後姿でした。

飛騨高山蒸溜所の皆さん、この度は多くの刺激や気付きを与えてくださいまして、ありがとうございました。
次回は、南アルプス井川蒸溜所にてお待ちしております!!!!

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